ある保育園での自閉症児の支援

ある保育園での自閉症児の支援

ある保育園での自閉症児の支援

プロフィール: ケイトさん、32歳女性、主婦

 

私が保育士をしていたときのことです。その保育園は1〜5歳児のクラスが1つずつあり、元々支援学校のような保育園だったそうです。3〜5歳児クラスには支援児(障がい児とは言わずグレーゾーンのお子さん等も含めてそう言われていました)担当の保育士が3人いて、クラスに計4人の保育士がいました。

 

障がいの種類は色々で、自閉症であったり、その他の発達障害であったり、同時に足に補装具を付けている身体的な障がいを持っているお子さんも1人ではありませんでした。言葉が出ないお子さんも少なくありません。

 

私がその保育園で初めて入ったクラスは5歳児で、重度の自閉症で言葉はほとんど出ないお子さんがいました。

 

その保育園での支援はよく絵カードが使われました。登降園の始末等の手順表や、集まりで体育座りをするときに「座ります」と言ってそのような絵カードを見せるようなこともあります。また、友達や保育士に対して叩いたり唾を吐いたり、外で石や虫を口に入れることがあり、良いか悪いか〇×での絵カードで示すこともあります。事務室には手順表や絵カードを作るときにもラミネートが使えるようになっていました。

 

そのお子さんは、その地域で過去採用されていた支援担当保育士がずっと受け持っており、私の入った年度から初めて一般の保育士が受け持ちました。

 

大抵の生活習慣は見に付いていました。

 

着替えでは、不器用ながらボタンの留め外しをして、かぶるタイプのものもできないという感じです。靴下や靴も勿論はけます。手順表を見ながら確実に進めます。

 

食事は、牛乳は完全に飲まないということで、お茶でした。同じクラスの他の自閉症児はあまり好まないながら飲むように進めていましたが、こちらはそのようなこともありませんでした。

 

トイレは、前年度の最初はオムツだったのがすっかり取れていて、おもらしはありませんでした。便器の使い方を知らせるくらいでした。

 

お昼寝も比較的入眠しやすいです。その保育園では、ホールに3〜5歳児が寝て、支援児に限らず落ち着けるように周りを隠すカバーがあり、そのお子さんには最初から立てかけられていました。そこに横になって、足をさすると他のお子さんよりも早くに眠りました。

 

活動はというと、朝や帰り、他クラス合同の集まりにも他のお子さんたちと同じように参加できます。興味のあることに前に出ていくこともありますが、すぐに戻ってこれます。集団遊びとなると難しくて入れませんが、製作は専用のテーブルでやればできます。絵本の読み聞かせは時々声を出して見ていました。

 

行事も、運動会では1人で半周のリレーも走っていました。本番以外でふざけて「走ります」と保育士に強い口調で言われるとやるようになりました。発表会はリズムも劇も出て、活き活きとしていました。卒園式では、集団の中で座って待ち、証書を受け取っていました。

 

当然、いつも近くに保育士がいました。できるまでの過程は悩みながら、たくさんの準備をして本番があるものは当日も気を張っています。それでも、どの保育士でもできることではなく、私が担当になった日に拒絶されることは多々、私ではお昼寝明けにホールからクラスに戻ることもできませんでした。だからこそ、担任たちは勿論、パートの保育士たちも絵カードや小道具を持ち歩いて、あらゆる支援を試していました。

 

その前の保育園では、個別に手順表を使おうとしたとき、保護者に説明して許可をもらってから使っていました。個別の支援は意外にハードルの高いこともあります。その後の保育園では、重度の自閉症児でも手順表や絵カードは一切使わずに、見守りが多かったように思います。

 

私自身、引っ越しが多くて色んな保育園を経験しましたが、どんな保育がされているか、どんな体制が取られているか、何がいいかというよりは、保育園によってあまりに違いがあることは驚かせられます。

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