自閉症の子供とともに、社会の中で過ごしています

自閉症の子供とともに、社会の中で過ごしています

自閉症の子供とともに、社会の中で過ごしています。

プロフィール: K・Yさん、37歳女性、主婦

 

私には来年就学を控えた、自閉症の娘が居ます。2歳10ヶ月の時に自閉症スペクトラムの診断を受け、5歳になった現在に至ります。

 

乳児期から自閉症特有の症状が少しずつ出ており、抱っこをしても体が反り返る、不快な感覚に陥ると泣き叫ぶなどの症状があり、2歳を過ぎても言葉がなく、同年代の子供との関わりを拒絶したり、親との接し方にも違和感があり、定期的に区役所の職員に相談していました。経過観察期間を経て、療育センターの受診を勧められ、発達検査と児童精神科の医師の診察を経て、「診断名は自閉症スペクトラムであること、娘の場合は大人になっても自閉の傾向が残る可能性が高いので、周囲の理解と手助けが必要であること、育て方にも工夫がいること」等、医師やケースワーカーの説明を受け、今後の生き方について考えることとなりました。

 

今、親として出来ることを行っていますが、大きく分けて2つあります。

 

一つ目は、保育園や地域の方々とのコミュニケーションを適度に取っておくことです。

 

娘の問題点として、コミュニケーション力が非常に乏しく、相手の態度や行動から気持ちを察することができません。また、視覚優位といって、絵や写真などの目から入る情報には強いものの、話や言葉など耳から入る情報に対する理解力に欠けているので、的確なやり取りができずに支障が出ています。たとえば、会話や動作が一方的で、本人には悪気がなくても相手を不快にさせることもあり、嫌がられている事実は分かっていても、その経緯や理由を考えることができません。

 

現在、保育園の年長ですが、同じクラスの友達の輪に入ることができず、自由時間はいつも一人で過ごし、クラスのお友達との間にも壁ができているようです。

 

年少の終わり頃に、仲間はずれになったことが原因で、孤立した状態が年中の中頃まで続き、その間は登園拒否に陥ってしまい保育園も休みがちでしたが、保育園の先生に相談することで、少しずつ状況が改善していきました。子供同士でやり取りをするときには先生に介在して頂いたり、担任の先生の目が行き届かない部分については、加配の先生に対応して頂いたりするなど、日々の園生活の中で手助けをしてもらうことで、娘にとっての最低限の居場所を確保できるようになりました。現在も軽い登園渋りはありますが、迎えの時間を早めたり、先生方との連携を取りつつ、何とか保育園に通うことができています。

 

また、近所にも同年代の子供が数多くいますが、お母さん達にも娘の特性について話すことがあります。障害名を明かす必要はありませんが、お友達との関わりの中で苦手なことがあったりすることを伝えておけば、娘の行動に違和感があっても理解してくださる方がいたり、子供同士のトラブルを最低限に予防することができます。来年から地元の小学校に通う予定なので、療育センターや小学校とも連携し、準備を進めていく心構えをしています。

 

二つ目に行っていることは、娘自身の生活力を向上させるため、親子で自閉症と向き合い、学ぶ機会を設けています。

 

具体的には、療育センターでの勉強会に参加したり、障害児教育を行っている民間施設の講座を月に数回、定期的に受講するなど、障害についての理解を深め、娘とのより適切な関わり方を実践するために様々なことを勉強しています。

 

娘は、突然予定が変わると不安になるので、分かる範囲であらかじめ予告したり、文章が苦手なので、大切なことは絵や図を交えて説明したり、日常生活の中でも工夫して過ごしています。そして、物事をパターンで覚えている娘の習慣に合わせて、年齢ごとに備えておきたいコミュニケーションのルールについて教えています。あいさつ、やり取りをはじめ、会話の仕方「否定語など、相手を嫌な気持ちにさせることは言わない」「言い切りではなく疑問形など、優しい言い方で」など、一つ一つ、具体的に話すようにしています。

 

娘と日々触れ合う中で、私の意図が上手く伝わらなかったり、会話が噛み合わない事も多く、イライラしたり落ち込んだりすることもよくありますが、そんなときは頑張った所を褒めてあげたり、良い部分を探すようにしながら気持ちを立て直し、娘とたくさんコミュニケーションを取るようにしています。

 

成長するごとに悩みもつきませんが、将来に向けて社会生活を送れるためにも、娘に関わりを持ってくださる方々に感謝しつつ、親が出来る最大限の努力をして毎日を積み重ねていきたいと思います。

 

自閉症は先天性のものであり、治ることはありませんが、周囲の理解と協力によって落ち着いたり過ごしやすくもなります。苦手な部分を克服しようとするだけでなく、得意な部分をより伸ばせるような環境作りをすることで、能力を発揮できることもあります。困ったことがあったら、ひとりで抱え込まずに専門家に相談されることをおすすめします。

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