言葉の理解はできても、「笑うこと」や「肉親の死」などで感情の表出がむずかしい

言葉の理解はできても、「笑うこと」や「肉親の死」などで感情の表出がむずかしい

言葉の理解はできても、「笑うこと」や「肉親の死」などで感情の表出がむずかしい

プロフィール: M.Mさん、40代男性、家業の手伝い、治療期間幼少時〜現在に至るまで

 

自閉症の障害を持ったお子さんの場合、特別支援学校高等部を卒業後は一般企業に就職できるか、授産施設への入所、あるいは作業所通所はその障害の程度によるもので大体は支援学校在学中の職場実習の状況で判断されることが多いようです。

 

MM君はいったんは一般企業に就職できたのですが、いわゆる3Kに近い漬物工場の仕事は寒く、薬品のような漬け物の液体にひどい手荒れを起こして悪化したため仕事は1年ほどでやめることになってしまいました。また、人間関係も彼には状況に柔軟な対応ができないことも多かったようです。

 

例えば、勤務時間、休憩時間、終業時間など時間のパターンを忠実に守ることが多い自閉症の場合、退社の途中で話しかけられても、立ち止まって話に応ずることが難しいです。一度覚えた行動のパターンを崩したら立て直しができずパニックになってしまうので、家への帰り路は同じ時間に同じルートの繰り返ししかできません。

 

また、感情的に「笑う」ということの理解が難しく、「笑う人まね」はできますが、本心から笑うということはおそらくできないと思います。また、彼の祖父が亡くなったときの表現は「おじいさんが死にました。おじいさん、ガイコツ」というのが精いっぱいの報告でした。肉親の死に対し、悲しくて「泣く」ということも難しいようです。言葉もあり、意思の伝達はできるとしても感情の理解、状況の理解が難しいところがあります。

 

漢字も勉強をして、状況を良く教えてもらい、概念と結び付けられれば理解は可能です。彼は家に帰る途中、ある時どうしてもトイレに行きたくなり仕方ないので、家の近くで立小便をしてしまいます。それ以来、家がもうじき見えるところにくると同じ場所で毎日立小便を繰り返すのが日課となってしまいました。

 

彼の障害をよく知らない近所の人は「立小便禁止」という札をたてるのですが、一向におかまいなしでその札に向かっておしっこをしていました。よくよく、親にその場に連れて行かれて書いてある札の意味を説明されてようやく理解したようです。

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